2016.08.02

0から1を生み出すのが好き:株式会社葵CTO 青木 啓剛さんとの対談

本日は株式会社葵CTO、青木啓剛さんとコデアル株式会社CEO:愛宕との対談です。

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愛宕 最初に簡単に貴社の事業説明をしていただいてもよろしいでしょうか?

青木 私たちは「スマホ学習塾 アオイゼミ」というサービスを運営しています。全国の中学生・高校生にスマホを使って動画で勉強してもらおうというサービスです。特徴としては月曜日から土曜日までリアルタイムでライブストリーミングを実施しているところです。ユーザーはコメントやスタンプを送ることができ、講師や他のユーザーとコミュニケーションすることができるため実際に教室にいるかのように勉強をすることができます。

副業とリモートワーク

愛宕 働き方ひとつ取ってもいろいろあると思いますが、これからどのような働き方が当たり前になるのでしょうか?

青木 副業という観点でいうと、私の会社も副業はOKです。実は、私も別の会社の名刺を持っています。従業員と会社はフェアであるべきと思っていますが、副業をOKとするのはそのひとつの形ではないかなと思っています。実際副業ができるという会社であっても、みんながみんな副業していくわけではないですよね。いろいろな形があって、その多様性が認められる状況が重要だと思っています。

愛宕 アオイゼミでは離れた場所で授業をしているわけですが、離れた場所で働くということに関してはどう思いますか?

青木 原則リモートワークは実施していないですね。サービスを作るときにユーザーに近いところで仕事をするというのを徹底しています。我々にとっては講師を中心にストリーミング配信に関わるスタッフが日々中高生の生の声に触れる立場にいるので、できるだけ彼らと同じ環境で仕事をしたほうがいいと思って、エンジニアもデザイナーも集まって仕事をしています。

愛宕 動画を見ているユーザーの方は会うことはありますか?

青木 年に何回か会社見学会というイベントをやっていまして、そこでフィードバックを得ています。私や他のエンジニアがユーザインタビューに参加することもありますよ。

今後教育・学習の形はどうなっていくのか

愛宕 今は学ぶというと学校に行って紙の本を開いて勉強をするというのが普通ですが、今後学習の形というのは変わっていくのでしょうか?

青木 アオイゼミはあくまで学習塾という立場で、学校教育を決して否定していません。学校の果たす役割は引き続き大きくあり続けると思います。例えばある地域だと、自治体が放課後の時間を使って放課後学習をやっていたりとかするわけです。

一方、限界があるのも事実で、学習塾のやっているものを学校が出来るかというと、現実的には人手の問題などあるので、難しいと思っています。勉強を教える以外を含めた教育と、勉強を効率的に教えるサービスは目指すものが違うので、持ちつ持たれつの関係を築いていくのが理想ではないでしょうか?

愛宕 受験教育は教育というマーケットと別な気がしています。教育というと親御さんがお金を出すわけですが、その中で人間教育などの包括的な教育にお金を出すのかというと、難しいものがありますよね。。。

青木 そもそも何のために勉強するのかがふわっとしていると、勉強に対するモチベーションはあがらないですよね。学習塾とはいえど、ユーザーの方と対話を通じて、興味関心を広げたりなどの動機付けをさせてあげることは大事かなと思っています。例えば高校2年生の終わりになって文理の選択を変えたいとなっても難しいわけで、中学生のあたりから意識できるといいかなと思います。自分が何になりたいのかをその段階で決める必要は全くないんですけど、それを考えることが、勉強への意識を高めるように思いますね。

0から1を生み出す仕事をしたい

愛宕 青木さんは今までどのような経験をされてきたのでしょうか?

青木 私はもともと新卒から7年ほど営業をやっていました。趣味でものづくりをやっていたので、仕事としてやっていきたいなと思って今の道に入ったのが2年前です。小さい会社を作って仕事を受けている中で、声がかかって葵に入りました。

愛宕 新卒でエンジニアをするという発想はなかったのでしょうか?

青木 大学でものづくりをしていた頃に、プロトタイプをいくつか作って発表していました。ただプロトタイプでは実際に使っていただくことができないなと思いまして、まずはサービスを提供するユーザー基盤を持っている会社に入ってユーザーにサービスを届けることをしたいなと思って事業会社に入ることを優先しました。

愛宕 ご自身の会社はまだ残っているのでしょうか?

青木 知り合いから時々仕事を受けることはありますが、活発には動いていないです。

愛宕 営業をやっていた時期・独立の時期・CTOの時期と3段階のキャリアがあったとのことですが、それぞれで感じた良し悪しをお話ししていただいても良いでしょうか?

青木 最初はエンジニアとは全く異なる仕事だったわけですが、結果的にはすごくよかったと思っています。営業はお客さんとのやりとりや電話でのコミュニケーションをするわけで、そこで得たものは大きかったです。今CTOをやっていますが、今はコードを書いている時間よりもそれ以外の時間のほうが長いですから。独立して自分の会社だけでやっていた期間は結果的に3ヶ月ほどなので、そこは語れるほどの経験は正直ないです。

愛宕 青木さんはどのような仕事がメインのCTOをやっていらっしゃるのでしょうか?

青木 1つ目は会社のプロダクトをどういう方向に持って行くかということを考えています。そして2つ目に採用、3つ目に社内向けの開発やインフラ周りの構築・運用・監視をしています。それ以外に1人のプレイヤーとしてサービス開発をやることもあります。仕事で直接関わる相手がエンジニアでない場合も多いので、営業での社会人経験が生きていますね。

愛宕 最後の質問になりますが、これから40歳,50歳になっていって仕事の計画などありますか?

青木 しばらくはアオイゼミのサービスを大きくすることに集中したいなと思っていますが、その先では複数の会社やプロジェクトに所属しつつ、その1つでは自分で0から1のものを生み出すような働き方をしていきたいですね。いずれは新しいサービスを作ることをしている若い人たちに自分の経験を伝えるに値する人間になりたいなと思いもあります。最近、他の会社でCTOをやっている先輩方とお話しすることも増えてきたのですが、今は自分がもらってばかりなので、還元していきたいですね。

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