本日は株式会社エウレカのエンジニア、梶原成親さんとコデアル株式会社CEO愛宕の対談です。

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愛宕 まずエウレカさんはどういったサービスを提供されているのでしょうか?

梶原 「pairs」という恋愛・婚活のマッチングサービスと、「Couples」というカップル向けのコミュニケーションアプリを展開しています。「pairs」は、ガラケー時代のいわゆる “出会い系”サービスとは全く異なる、安心・安全な恋愛・婚活をサポートする「オンラインデーティング」と呼ばれるビジネス領域のプロダクトです。欧米ではすでにある程度の認知度を獲得し、文化として定着しているジャンルで、pairsは日本と台湾においてサービス展開しています。ユーザー数は400万人を突破。延べマッチング数は2,230万組を超えています。

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参照:https://www.pairs.lv/

愛宕 私は既婚者なのですが、実は過去にpairsを使ってみようとしたところ、ログインできなかった記憶がありまして笑 ユーザー登録の段階でしっかり審査することで、既婚者を排除して真剣な出会いを志向しているんだなというのを感じました笑

梶原 そうなんです笑 みなさん日常的にFacebookを使っているので、ステータスをわざわざ「既婚」から「独身」へ変えてまで使おうとする方々はほとんどいませんね。

双方向性を帯びてくるツールたち

愛宕 梶原さんはエウレカではどのような役割をされているのですか?

梶原 全社的な情報システムを扱う仕事をしています。前職まではエンジニアの生産性を高めるツールなどを選定・導入していましたが、エウレカではスコープを広げて全社的にプロセスを改善する仕事に取り組んでいます。

愛宕 もともとNTT・楽天・リクルートにいらっしゃったとのことですが、この10年で情報システムのツールはどういう変遷があったのでしょうか?

梶原 大きく2つあって、1つはコミュニケーションを大事にするようになってきているということ。Qiitaもそうなのですが、いいねなどのコメントをつけられるようになっています。今まで掲示板のように投げつけておしまいだったものが、コミュニケーションベースになりソーシャル性を帯びてきています。もう1つは、JIRAでイシューを作成したらSlackに飛んでくるなど、ツールとツールのインテグレーションがとても自然になってきていますよね。会社によって考え方やカラーが異なりますが、それに合わせてパーツを組み合わせて使い分けることができるようになってきています。10年前にあったツールでまだ現役なのはメールくらいですよね。フォーマルな感じはしますけど。

愛宕 双方向性を帯びてきているということですね。そういった変化はなぜ起こってきたのでしょうか?

梶原 一概には言えませんが、この10年ほどでソフトウェアの価値が上がってきているように思います。Webサービスの現場では、プロダクトの開発力がその会社の成長持続性を左右する要因の大部分を占めつつあるのではないでしょうか。 そして、プロダクト開発はたった一人でできるものではないので、複数名でチームを組んで開発しますよね。でも、人がただ単に集まっただけではチームにはなれない。そこにはコミュニケーションが必ず必要になります。なので、対面でもツール上でも双方向性の円滑なコミュニケーションがこれまで以上に求められるようになっている。 インターネットの黎明期は、テキストサイトのように一方的なコミュニケーションばかりで、双方向性のコミュニケーションは「2ちゃんねる」くらいでした。

愛宕 今いろいろなツールをつなげるようにできるようになっている理由はあるのでしょうか?

梶原 昔だと「Lotus Notes」というツールがありました。メールもカレンダーもファイルサーバーも全部ついているような統合パッケージでしたが、今はそれぞれで特化していますよね。僕の考えでは、Webサービスの作り方がマイクロサービス化するのにともない、API同士で全てつなぐという考え方が浸透し、それがツールにも広がってきたのではないかな、と思います。

愛宕 今はサブスクリプションのモデルが普通になってきていて、全部は無理だけど一個だけ優れているスタートアップが増えてきている、その会社さんがインターネットを使ってデリバリーしやすくなっているという側面を肌で感じます。

梶原 今はツールを変えやすいですよね。逆に言えば、ツールを提供する側は、常により良いサービスを提供し続けていかないと、ユーザーに選ばれなくなってしまいますよね。

愛宕 ツールに関連して、BYODの考え方に興味がありますが、エウレカでは個人デバイス仕様に関してはどういう考えなのでしょうか?

梶原 私たちは個人の恋愛や婚活に関わる大事な情報を扱っているので、セキュリティを第一に考えています。セキュリティを優先するのか、利便性を優先するのか、コストを優先するのか、といった選択は企業によってさまざまかと思います。もちろんセキュリティの問題がクリアされたらBYODも構わないのですが。やっぱりパソコンくらいは用意しますね。

人々の生活を支えていることがやりがい

愛宕 今後30年で、どのような働き方が出てくるのでしょうか?

梶原 そもそも日本だけで働く人がマイノリティになってくるのではないかと思います。エウレカもそうですが、今はスタートアップも創業期から世界展開を視野に入れています。おそらく30年も経てば国内と海外という分け方ではなく、アジアとヨーロッパ、アジアとアフリカといった感覚になる。そして、それにともなって海外のメンバーとリアルタイムでコミュニケーションをとることが、より”当たり前”の日常になってくると思います。

エンジニアという職種は惰性で生きようと思えば、10〜20年ほどは生き残れる一方で、今後はより一層どんなアビリティをプラスアルファで身に付けるかが重要になります。今はやはり英語。また、PMの仕事ならアジャイルやスクラムの能力ですよね。

愛宕 エンジニアは惰性で生きられるとのことですが、梶原さんはわざわざNTTから楽天、楽天からリクルートへ転職し、今回、そういった大手企業からベンチャーであるエウレカを新たに選択したわけですが、常に敢えて自分の能力の足りない分野に積極的にチャレンジするのは何故なのでしょうか?

梶原 僕にとって仕事は趣味みたいなもので、人生において一番楽しいこと。”労働”と”仕事”は異なるものだと思っています。”労働”って誰かの意思決定したものをやらされている感があるのですが、僕は自分の意志を持って、その気持ちに従って何事も取り組みたいんですよね。つまり”仕事”。そのためには周囲に信頼してもらわないといけないので、スキルをきちんと磨いて、一所懸命にやらないといけない。それに、惰性はかっこ悪いですよね。

愛宕 なるほど。ちなみに、私の中では好奇心があるからなんですよね。自分の知らないもの・無理そうなものに首を突っ込みたいからで笑

梶原 そうですね。僕の場合、会社の考え方に心から共感しないと会社そのものを好きになることができません。エウレカには「世界中の人々の人生を豊かにするものを自分たちの手で作り出す」という明確なビジョンがあるのがいいですね。だってpairsがなかったら出会えなかったはずのふたりが出会って、恋愛をして、結婚をして、家族になるんですよ? これめちゃめちゃ凄いことで。そのきっかけを作っていると考えると、とても嬉しいです。前々職では、インターネットを使って地方の中小企業の新たな販路拡大に取り組んでいました。それぞれの店舗ごとのストーリーがあり、その人たちのビジョンと売上を支えていることにやりがいを感じていましたね。

愛宕 人の人生を豊かにしている感覚って一番のやりがいですよね。弊社だとビジョンが「テクノロジーで世界をもっと素敵にできる」で、ミッションが「すべての人にリモートワークを」でうたっています。リモートワークは手段でしかないですが、ライフスタイルを豊かにする部分に関われるところにやりがいを感じますよね。リモートワークを始めて仕事スタイルが変わって引っ越した、とかそういう話を聞くと嬉しくなりますよね。

梶原 人って低い方に流れようと思えばどんどん流れていっちゃうんですよ。実は僕、リモートワークもそうだと思っていて、自分自身でコントロールできる集団じゃないと難しいですよね。

愛宕 そうですよね。今はリモートワークをしている人が非常に限定的ですけど、パーソナルコンピューターを一部の人からみんなが使うものになったように、今当たり前でないものを当たり前のものに近づけたいと思っています。

梶原 その考え方いいですね笑 リモートワークがもっと楽にできるのは素晴らしいですね。

OSS的な情シスとは??

愛宕 今まで色々なキャリアを経験されてきて、その中でフリーへのお誘いがあったとのことですが、なぜフリーランスにならなかったのでしょうか?

梶原 フリーランスもそれはそれで魅力を感じるのですが、外部のコンサルとして関わることに果たして自分自身が満足できるのかというと、疑問を感じます。「主体性を持って物事に取り組みたい」という気持ちが強くあるのと、影響を与える範囲が限られてしまう点で、最終的にフリーを選択せずにいます。目の前の仕事に追われて、自分自身のキャリアプランを踏まえた選択ができなかったり、そもそも好きな仕事を選択できなかったりするのは、長期的に見てリスクだと考えています。

愛宕 梶原さんにとって、「幸せ」とは自分で決めていくものなのでしょうか? 人によって色々あると思いますけれど。

梶原 人と人との関係性かな、と思います。よりストレスの少ない関係性が形成されることかもしれませんね。 あと、自分の人生を主体的に生きていけるかどうか、って特に重要。

過去に、会社都合で社員のキャリアビジョンに添わない異動や案件へのアサインを見てきたのですが、「そんなことをして、社員が幸せを感じていると思えるのか? その人のキャリアに責任を持たずに、自分たちの都合だけでアサインするメンバーを決めてしまうなんて、マネージャーとして適切なことではないよね」と思っていました。キャリアプランに添わない異動を強いられると、「もうこの会社では、これ以上キャリアを積めないな」と、どうしても諦めの感情を抱いてしまいますよね。

愛宕 無理にやっても”仕事”じゃなくて”労働”になってしまいますね。労働になってしまうと生産性が下がってしまう。最高のツールってモチベーションだと思いますね。

梶原 私が所属する経営管理チームの理念は、まず「情報を閉じ込めないこと」。人は本来自律的に動くべきなので、プロジェクトを進める過程の透明性を確保することですね。2つ目に「常に改善、常に前進」。はい、こちらは楽天を参考にさせていただいています笑 何がなんでも目標を達成する意識が重要で、そのために継続的に改善できるようにする必要があると思っています。毎週のKPTで振り返りを行って、毎週少しずつ何かを改善できるようにしています。

愛宕 OSS、いいですねぇ。

梶原 伝統的な情報システムって、ユーザーを見て意思決定しているというより、自分たちのプロセスがやりやすいように意思決定している側面がある。しかし、Webサービスのプロダクトを作っている現場では、ユーザーが欲しているものが何なのかを分析し、実装・リリースし、それがユーザーへ価値として届いているかを検証して、次のリリースに活かす流れがあります。情シスでもそういうのをやりたいんですよね。Webサービスを開発するようなメソッド、スキーム、考え方で情シスをディレクションして、継続的に社内の”ユーザー”であるメンバーのみんなに価値を届けたらいいなと思っています。

あと、伝統的な情シスは、自分たちがクローズドな世界で生きていると思い込んでいるケースがよくあるので、ノウハウを社内に溜め込みがち。同じような時期に、同じような製品の導入を実は多くの会社で検討していたり、比較したり、ということがよくあります。ですが、クローズドな世界に生きているので、そういった状況が企業間でシェアされることがあまりない。 一方、Webサービスを開発しているエンジニアは、会社という枠組みを超えた技術的なコミュニティが非常に多い。 Webの世界がそうであるように、「情報は共有するのが当たり前」な世界を作っていきたいです。技術的なノウハウって、いつか他の誰かも同じようなことをするもの。技術自体に秘匿性はないので、率先してアウトプットしていきたいですね。そして、その情報を見た誰かの助けになって、企業価値の向上にわずかでも貢献できたらいい。世界のどこかで世の中がちょっとでも良くなる手助けをしたいです。

愛宕 情シス×OSSなんですね、キャラ立ちの大切さを感じます。僕もセールス×エンジニアリングみたいに異質な組み合わせでキャラ立ちを目指しています笑

最後なんですが、今30代とのことで、50・60歳になった頃に何をしていたいと思いますか?

梶原 何してるんでしょうね笑 60歳や70歳になっても、20代の若い人たちに「教えてください」と自分から言える人でありたいですね。パソコンやスマートフォンがあるのが当たり前の環境で育ってきた、いわゆる”デジタルネイティブ”世代なので、もちろん彼らにとって邪魔にならない存在になりたいし、自分に足りないところは教えてもらったり、教え合ったりもするような関係を築きたいですね。

愛宕 自分にはこれがないけど相手にはこれがあって、お互いに尊敬しあえて、教えあい、学びあい、高めあえる関係性の中で”仕事”ができるのは幸せなことですよね。

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