2017.10.10

福岡発!世界中で使われているチームの創造力を高めるビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」プロダクトオーナー平山様インタビュー

本日は株式会社ヌーラボに所属されているCacooプロダクトオーナーの平山様にコデアルのプロダクトオーナーである愛宕よりインタビューさせていただきました。

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ヌーラボの提供しているサービスについて

愛宕 Web業界ではすでにご存知の方も多いとは思いますが、最初に御社のサービスについて教えて下さい。

平山 弊社では3つのプロダクトを提供しています。ひとつは「Backlog」です。これはプロジェクト管理ツールで、一番使われているのはソフトウェア開発の現場ですね。ただ、最近ではイベントや製造業といった業種など、だんだんと用途が広がっているようです。また、このプロダクトに関しては「Backlogエデュケーション」という教育機関向けのバージョンを出しています。

愛宕 Backlogはコデアルをご利用いただいている会社でもよく使われています。ソフトウェア開発以外の用途でも使用されていると聞いて気になっていたのですが、Backlogは本来どれくらいの期間のプロジェクトを想定して作られているのでしょうか。

平山 特に決まりがあるわけではないと思いますが、どちらかというと長く使ってもらいたいというのが我々の希望ですので、中長期のプロジェクトでもご利用いただけるようになっています。

愛宕 次に「Cacoo」ですね。Cacooは平山さんがプロダクトオーナーをやられているのですね。Cacooはどのようなきっかけで作られたのでしょうか。

平山 開発開始当初には私はいなかったのですが、きっかけは設計書やワイヤーフレームをパワポで作るのって辛い、絵が描けるwikiが欲しいよね、みたいなところからはじまったという風に聞いています。ソフトウェア開発関連でワイヤーフレームやフローチャートなどの作成に使われることが多いのですが、そのほかに、学校ではマインドマップの作成に、事務でオフィスレイアウトの作成、また、医療関連の業務でも使われていたりします。この手のものは、特定の領域に特化したものが多いのですが、Cacooは広く対応できるように作っています。

愛宕 なるほど、そういうコンセプトなのですね。そういう思想は他のプロダクトにも反映されていたりするのでしょうか。

平山 そうかもしれません。何かの仕事に特化というよりは、どんな仕事でも楽しく仕事ができるようにしたいという思いが込められています。どんな仕事でもひとりでやるものではなくて、誰かや何かとコラボレーションするものですから。

愛宕 Typetalkはどういう形ではじまったのですか?

平山 Typetalkの開発以前は、リアルタイムのメッセージのやり取りはSkypeを利用していました。Backlogだけだとリアルタイム性が出ず、東京、京都、福岡、シンガポールと複数の拠点があったので、結構チャットツールを使う場面が多かったんです。でも、当時のSkypeだとチームでの利用では、新しく入った人が過去の履歴を読めなかったり、検索機能が弱かったり、プロジェクトや対応内容ごとにトピックを作っていった時にその管理もし辛く、いろいろと問題が多かったんですよね。それで、良いものがないなら自分たちで作ろう、となったのがきっかけです。

愛宕 会社としてどういうものを作ろうというのはトップダウンではなくてボトムアップで決まっていったのですか。

平山 そうですね。これ使いにくいよねとか、これもっとこうしたいねとか。最近だと勤怠管理なんかも自分達で内製しました。これは外に出す予定はないんですけれども。あるいは、他のツール使っていても楽しくないから、自分たちで作る、みたいなところはありますね。

愛宕 今おっしゃった「楽しさ」についてもうすこし深掘りして聞いてみたいです。どういう楽しさで、どんな製品に反映されているのでしょうか。

平山 人によって解釈が違うかもしれませんが、たとえばプロジェクト管理のソフトウェアといった場合、テキスト中心の割と無味乾燥な画面で構成されることが多いと思うのですが、Backlogでは、絵文字やスター機能などでそういうところをフォローしていると思っています。

愛宕 とてもよくわかります。

平山 Backlog、Cacoo、Typetalkと、サービスとしては3つなのですが、一つのアカウントでヌーラボが提供しているサービスのシングルサインオンが可能な「Nulab Apps」もサービスを開始しています。このサービスを活かしたマーケティングを行い、海外に向けてさらにアクセルを踏んでいく予定でいます。

プロダクト開発のチーム構成と開発フロー

愛宕 コデアルというサービスでは、私がプロダクトオーナーをやらせていただいているので、ユーザー様からの要望は私が自分でチェックし、それをプロダクトバックログに入れて次の開発する内容の優先順位を検討しています。Cacooの場合はどのようにやられているのでしょうか。

平山 プロダクトマネージャーが別にいるので、リリーススケジュールなどはマネージャーが最終的に決定しています。社内の情報はかなりオープンで、Typetalkでトピックが分かれているんですけど、ほとんどののトピックが全員参加になっています。私自身もマーケティングや雑談など色々なトピックに目を通しています。そういう状態なので、自分が関わっていないプロダクトの様子なんかも把握することができます。たとえばどんな計画を立てているか、何のリリースに向けて頑張っているかなど、特別に共有する場を設けなくても、知りたいと思えば知ることができるようになっているんです。

愛宕 コデアルでもre:dashというツールを使って、KPIに関連する数値をダッシュボードで公開しています。Typetalkの他にそういったツールは使っているのでしょうか。

平山 現状ではそういった数値目標の共有も模索していて、データを集約してダッシュボードとしてまとめるサービスをいくつか使ったり試したりしています。また、たとえば売上の集計をシェアしたり、月に一度行っているプロダクトオーナーの集まりで状況を共有したりします。あるプロダクトでやってみて効果が良かったことは、他のプロダクトでも同じようにしたらどうかとか、そういった話なんかも出ますね。

愛宕 なるほど。ちなみに、拠点が複数ありますが、開発チームはどのような構成になっていますか?

平山 Cacooには福岡とニューヨークの拠点にチームがあって、福岡では開発6名、サポートが1名です。ニューヨークは兼務している人もいるのですが、開発が5名、サポートが1名、あとはプロジェクトマネージャーがいます。シンガポールにも、開発メンバーはいないのですがサポートが1名いますね。

国内と海外への展開で異なるところを教えてください。

愛宕 Cacooについての海外展開ですが、現在どのような状況なのでしょうか。

平山 海外のシェアは16%程度ですね。日本国内のユーザーが最も多いですが、現時点では2位がコロンビアになっています。コロンビアはCacooエデュケーションが学校で採用されたりしている影響もありそうです。

愛宕 コロンビアですか。平山さんはもちろん住んだことはないですよね?ユーザーヒアリングはどうされているのでしょうか。サービスを使っていただいている方に直接ヒアリングをし、開発を進めることはないのでしょうか?

平山 何名かのユーザーに参加してもらい、ユーザーテストやインタビューを行い、フィードバックレポートとしてまとめ今後の開発の参考にする。といったことは何度か行っています。福岡のほうではリリース前の機能を事前に試してもらったり、ニューヨークの方では既存の機能を触ってもらい、改善点を見つけたりといったことを行ったことがあります。

愛宕 そうなんですね。例えば実際に開発をすすめていく場合に、日本と国外のメンバーとで、サービスの方針について意見が衝突するようなことはありませんか。あくまで個人的な意見になるのですが、コデアルが取り組んでいる求人領域のサービスは、グローバルにサービス展開し、グローバルで大きく成功しているものがまだないのは、国ごとに法律や労働習慣、税制も異なるためローカライズが難しい部分が大きいのではないか?と感じています。

平山 Cacooの場合、「ビジュアルコラボレーションツール」というプロダクトの性質もあり、製品そのものはほとんど一緒ですし、そこまで意見が衝突することはありませんでした。お国柄を反映することもあるのですが、せいぜいFAQくらいですね。日本はセキュリティ面を気にされる担当者が多いため、FAQのカテゴリとして独立させたほうが良いのではないだろうか?などですね。

継続的に製品を利用してもらう上で、どのような体制でカスタマーサクセス業務を行っていますか。

平山 例えばサポート向けのコンテンツを見直してみて、古くなっていないか、もっとわかりやすくできないか、といったところを現在は取り組んでいます。日本語も、英語も両方見ますね。あとは、セキュリティが気になる企業様向けに、カスタマーサクセスを担うメンバーが、IPAが出してるセキュリティのチェックリストを先んじて作り提供するなどしています。ヌーラボでは、開発のみならずカスタマーサクセスなども含めた組織強化を進めているため、今後は積極的にユーザー目線の施策を打っていく予定です。

愛宕 ありとうございます。最後になりますが、平山さんは過去に会計ソフトの会社、Webの受託開発の会社を経て現職に来ていると伺っていますが、今現在Cacooに関わっている状態と比較して、何か違いを感じますか。

平山 受託開発の会社に在籍していた頃は、顧客は大手企業が多く、非常にハードではあったんですが、楽しくてやりがいも感じていました。しかしひとつのプロジェクトをやりきってしまうと、それで終わりになります。それが良くもあり、一方で寂しく感じることもありました。現在は、担当しているプロダクトのCacooが順調に育っていって、もちろん楽しいですし、良かった反面、明確な終わりとしてのゴールみたいなものがないんですよね。ゴール設定が難しいです。ある機能のリリースみたいなゴールはあるけど、機能をひとつ出したからといって、それで全てが完了するわけでもなく通過点だったりするわけで。

愛宕 わかります。自社サービスの場合、終わりなき旅感がありますよね。リリースをすればするほど、仕事が増える感じがします。ひとつの機能をリリースした。その結果のフィードバックによって、次の課題が見えてくるようなイメージです。本日はありがとうございました!

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