2016.06.14

ChatWork株式会社CTO山本様インタビュー

1. なぜChatWork(チャットワーク)をつくることになったのでしょうか?

弊社ではビジネスチャットツール「チャットワーク」を開発しています。当初、弊社は中小企業のIT化支援事業を複数展開していました。事業の一環として、社内で利用しているツールをお客様にも提案していたのですが、社内で使用していたチャットツールはあくまで個人向けで、ビジネスで使用するには様々な支障がありました。

そこで、ビジネスに利用できるチャットツールを作ることになり、私1人で開発を始め、まずは社内ツールとして利用を開始しました。

事業の一環として、UstreamでITツールのノウハウを紹介する番組を配信していたのですが、その番組内でチャットワークを紹介したところ、反響が非常に大きかったため、事業化することになりました。事業化が決定してからは、デザイナー1名、エンジニア2名が参画して計4名のチームとなり、2011年3月1日にサービスとしてリリースしました。

成長の角度、お客様の反応が圧倒的によかったことから、これまで複数持っていた事業を停止、移譲し、2012年に会社の事業を一本化、社名も変更しました。

2. どのような経緯で山本様はCTOになられたのでしょうか?

社長とは兄弟関係で、社長が兄、私が弟です。兄は体育会系で、マーケティングやビジネスに早くから興味があるタイプ。私は、ゲームやコンピューターが好きで、技術分野への関心が強いタイプでした。

兄が2000年からビジネスを始めていたのですが、1人では運営・管理が難しくなり、システムで自動化したいということで、情報系の大学に通っている私に声をかけてきました。

当時の私は、プログラミングは好きだけれど、具体的に作るものもなかったので、兄から誘いにのって一緒にビジネスを始め、学生の副業のようなイメージで事業を続けていました。

大学卒業後、兄は事業を継続しながら親の事業も引き継ぎ、私は1度就職しました。事業が展開し、起業する運びとなり私も再び呼び戻され、そのままCTOになりました。

3. 山本様が入社されて、これまでどのような開発体制の変遷があったのでしょうか?それに伴うご自身の役割の変化はございましたか?

初期はPHPをメインに扱っていて、バージョン管理にはSubversionを使っていました。

ここ3-4年でサービスも大きく成長し、ソースコード規模、チーム規模が圧倒的に大きくなったことで管理が複雑化しました。特にチャットワーク一本に事業を絞ってからは、Subversionから少しずつGitに置き換えてGitHubを使用したり、Travis CIやCircle CI、JIRA、Confluenceを導入し管理しています。

モックアップ作りには主にKeynoteやInVisionを使用しています。KeynoteはアニメーションがiOSに似ているので、特に初期段階の設計で動きもある上でエンジニアとデザイナーとのすり合わせがし易いと感じています。

弊社ではリモートで働いているエンジニアも在籍しているのですが、タスクのアサインや社内ミーティングには勿論チャットワークを使用しています。

サービスリリースして5年、日本ではある程度広まっていると感じているので、日本発世界スタンダードを目指してプロダクトの作り替えを進めたいと考えています。

ビジネスチャットツールは増えていますが、弊社が目指している姿は「世界の働き方を変える」ためのツールとして、チャットワークが位置付けられることです。IT業界での日本の存在感を高められるようなプロダクト作り、チーム作りをしていくのが今の私の役割だと考えています。

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