2017.11.25

社員全員がパラレルワーカー!サポートチームのためのコンタクト管理ツール「formrun」を提供するmixtape合同会社事業統括責任者堀辺様インタビュー

本日はmixtape合同会社事業統括責任者堀辺様にコデアル株式会社代表愛宕よりインタビューさせていただきました。社員全員がパラレルワーカーとして働きながら、サポートチームのためのコンタクト管理ツール「formrun」をどのように開発されているのか?お話をお伺いしました。

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貴社事業について教えてください

サポートチームのためのコンタクト管理ツールformrunの開発、運営を行っております。
フォームの作成・設置やエントリーフォーム最適化、かんばんによる顧客管理・メールコミュニケーション機能などカスタマーサポートに必要な機能がワンストップで誰でもかんたんに利用できるのが特長です。
現在、東証一部上場企業からスタートアップ、個人事業主まで2700を超えるユーザーがご利用されています。IT企業から製造業、出版会社、広告代理店、教育事業者など幅広い業界・業種のユーザーさんにご利用いただいています。
リリース当初のベータ版は主に開発者であるエンジニアやデザイナーさんのフォーム作成・設置の課題解決のために機能を寄せていましたが、現在のバージョンでは開発者ではないビジネスパーソン、セールスやマーケティング部門の皆さんでも専門知識を必要とせず、最短30秒でフォームを作成・運用できる仕様にアップデートしています。

コンタクト管理ツールをなぜ作ったのでしょうか?

最初から、formrunを開発しようと考えてチームを作ったわけではなく、共同創業者の多田とお互いに社会の課題解決につながるものをディスカッションするなかで、そういえばウェブサイトに必ず存在するフォームって旧態依然として変わっていないよねと。フォーム自体、20数年前から存在している仕組みや技術なのですが、これだけデバイスが進んでいるなかでフォームそのものは進化を果たしていないのではないかと。

また生活者から見るとフォームはテキストと入力欄がシンプルに並んでいるだけに映るのですが、開発者にとってフォームを作ることは実は容易ではないんですね。データベースの構築、通知設定、バリデーション、セキュリティなど、バックエンドを用意するのは大変なうえ、フォームを作って欲しいというビジネスや経営サイドからの要求は突然なことが多い。
一方で、ビジネスサイドからすると売上や集客のためにキャンペーンやイベントを立ち上げるのですが、ランディングページとフォームを自分たちで用意できるかといえば、それは難しい。外部のWeb製作会社さんに御願いするなどコストや時間も要するため、クイックにフォームを活用することができなかった。
共同創業者の私と多田のふたりが実体験した開発者とビジネスサイドに潜む共通の課題を解決することをはじめようとなり、formrunのコンセプトに至りました。

ただビジネスサイドではすぐにキャンペーンをやりたいなど、すぐにほしいと思うことが多いですよね。
またお問い合わせに関しては、特定の人間ではなくて、会社の担当に当たる人を割り当てて、対応できるようにしたいと思うことがあります。
そこからformrunの開発に至りました。

どのようにして社員全員がパラレルワーカーで業務が成り立つ環境を作っているのでしょうか?

エンジニア、デザイナー、ビジネスの3名で構成されたチームで、各々の専門領域で事業を創っています。ただし、それぞれ本業を持っていて、パラレルキャリアとしての起業であるため、本業の就業時間後や週末、祝祭日に時間を設けてサービス開発を進めています。起業前からそれぞれ前職で仕事をしていた同僚の関係値もありましたので、このようなリモート環境下の限られたコミュニケーションでも互いに補完しあえたと思います。

社員全員がパラレルワーカーとのことですが、雇用契約、業務委託契約書はどのような内容のものを使われているのでしょうか?

クラウドサインやmisocaなどのサービスを活用して、紙の管理は一切しないように推進してきました。リモートワークという環境もありますが、セキュリティ面での恩恵が最も高いです。特に契約書関連は、昨今、カウンターパートの皆様もクラウドに対する理解があるため、それで完結することが殆どですね。

タスクの管理の仕方は?

SlackとTrello、Googleスプレットシートを連携して活用しています。中長期的なタスク整理や機能開発のアジェンダなどの棚卸しは都度行なっています。また、formrunに関するお問い合わせはformrunそのもので管理・運用しているため、ドッグフーディングにもつながっています。

サービスに対しての顧客のお問い合わせ対応はformrunを利用して、チームで対応しています。

MTGの頻度は?

隔週毎にオンラインミーティング、オフラインミーティングを実施しており、週に1度、ミーティングを行っています。今でこそ隔週にしていますが、サービスが立ち上がるまでは、どれだけ多忙であっても対面ミーティングの時間を設けるようにしていました。テキストだけの情報発信では、細かなニュアンスや温度感が伝わりにくいんですね、時にはミスリードにつながったり、お互いにグレーゾーンやエアポケットを作ってしまうこともある。チャットツールは利便性が高い一方で、万能なコミュニケーションツールとして頼りきっていないのはそこですね。あくまでもコミュニケーションのひとつであり、補完的な位置づけ。顔を見て話すからこそお互いの理解につながり、信頼関係が生まれるわけで、その先にコミュニケーションツールがあるのではないでしょうか。

タスクを適切に遂行してもらうための事前準備や気をつけていることは?

「いつ」「だれが」「何を」「どうして」といった5W1Hは常に明確化して進めています。

上記のような仕組みで行っていて、起こった問題点や解決策について教えてください

先にもお伝えしていますが、リモートワークという環境上、起こりがちな問題としてコミュニケーション不足があげられます。決まったデスクのあるオフィスでサービス開発している環境ではないため、チャットやビデオ会議というオンラインによるコミュニケーションに頼りがちで、機微な感覚や思いを伝える難度が上がります。
そのために、可能なかぎりオフラインでミーティングを開くようにしたり、直接電話したり、会いに行って対面でコミュニケーションを行うようにしていました。

なぜ御社ではフルコミットのメンバーではなく、社員全員がパラレルワーカーというスタイルを取られているのでしょうか?

資本が潤沢にあれば選択肢が広がることは理解していましたが、まずはスモールなプロダクトを短時間でリリース、お客様の評価を見ることを最優先と考えたためです。開発者の想いがあっても顧客や市場にミートしていないものに時間とコストを掛け続けるべきではない。特に初期の頃は、プロダクトのフェイズによって役割と必要なリソースがダイナミックに変わる可能性があるため、資本を入れてもらうと事業のピボットが難しいこともあると考えました。そのため、パラレルキャリアを実践することで各自で生計を立てるためのインカムを確保しながら、憂いなくサービス開発に集中できたのは我々3人にとっては良かった。ただし、事業によっては立ち上げ時に圧倒的なリソースが必要な領域もあるため、そこは柔軟に考えておくべきだとも思います。

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