2020.08.13

祝コデアル5周年 コデアル開発5年の軌跡

こんにちは、コデアルエンジニアリードの川原です。

コデアルは2020年8月15日で、2015年8月15日のサービスローンチから5年を迎えることになります。自分が0から作ることに参加したサービスが、潰れずに、ある程度の期間を過ごすことができたことについて、喜ばしい限りです。

コデアルは、「働く」ことについて考えた1つのプロダクトではありますが、実際のところ「地層」があり、まるで複数のプロダクトを作ったような感覚を味わえることができるものであります。おそらくコデアルを最近利用した人については、「コデアルは、複業で、リモートワークで。。」というイメージを持っていることかとは思いますが、実はそうではないという話を書きたいと思います。

第0期 サービスローンチ前

実際のところ、この時期のことをあまり自分はよく知りません。というのも、コデアルは2013年創業ではあるものの、自分が縁あって入社したのは2015年9月のことだからです。コデアルについて、少し手伝っていたのは2015年のはじめくらいですが、実際の製品コードに触れたのは2015年の5月くらいからです。

当時、コデアルには、エンジニアになりたい学生向けの新卒採用向けに提供されていた別のサービスが複数あり、そのサービスの統合・拡充のために製品が作られていたようでした。自分が手伝い始めたころにはすでになんだかのコードが書かれていたものの、開発の統制が取れているとは言えず完成する予感は全くしませんでした。

当時の予定されたサービス名は「エンジニアプラス」で、過去あった製品の統合のためのAPIがRuby on Railsで書かれた「エンジニアゲートウェイ」という製品コードネームだったようです。

といっても、これは自分が古文書 (Wiki) を参照した上での解釈なので、正しいのかどうかはわかりません。

今もRailsのアップデートを繰り返しながら維持・開発が続いているコアAPIのGitHubリポジトリ名は未だに「engineer-gateway」です。もちろん、「コデアル」という製品名なのだから、「codeal-api」などに変更する話は時々出るのですが、様々な面倒ごとがあり、未だにこのコードネームでの開発を行っています。

第1期 売れないサービス (2015年8月〜)

ということで、流れに身を任せていたら自分が本格的に手伝い、サービスの開発を推進することになりました。当時はまだ前の会社に勤めていました。

諸々の打ち合わせを通して決まったコンセプトやサービス名の由来、デザインに至るまで、今とは全く異なっています。

2015年8月時点のロゴ

2015年8月時点のロゴ

コンセプトとしては「コードで語り、出会い、働く。」というもので、完全なエンジニア採用のためのサービスです。GitHubとの連携をすることで、求職者のプライベートリポジトリも含めたGitHub上での活動や、ソースコードのプログラミング言語比率を可視化し、履歴書を作ることができるというものです。ロゴについては、 code と、ideal のもじりであり、今愛宕さんが語っていることとは似て非なるものなのでした。今、存在するサービスで、もっと賢いサービスとしては LHAPLUS などが近いかもしれません。

この製品は、自分が前の会社を辞めるにあたって得ていた有給を利用して猛烈な勢いで開発し、2015年8月15日(土) にリリースされました。リリースの1ヶ月前には16万行の修正がされる程度には猛烈でした。

その後、自分は9月1日付けで、コデアルに社員として入社しました。(諸事情あり、役員ではなく「社員」) なかなか、どうして変に振り回されてしまったとは思うのですが、ちょうどよく振り回されるのが得意なタイプではあるとあとから感じたものです。なお、有給については自分の新婚旅行などで取り戻しましたので、ご安心ください。

ここに、当時構想されていた画面レイアウトを用意しました。

当時のプロフィール画面

当時のプロフィール画面

デザインツールの変遷も面白く、今は Figma を使っているものの、当時は Prott + Sketch であったために、久しぶりにログインすることなりました。消さずに残してくれるのはありがたいことです。

何はともあれ、これが当時のプロフィール画面です。一見は良さそうですが、これは採用企業様には全く刺さらない代物でした。また、採用種別についても「体験入社」「インターン」「新卒採用」「転職」.. と、過去コデアルがやっていたサービスの塗替えであって、今のフリーランスの方が主体となったサービスとは、まったく違うベクトルを向いたものだったのです。

リリースも入社もしたものの、客は全く付かず、これでは1年足らずで情報の海に溶けてしまうかもしれないという危機感を感じていました。

当時のサービス開発スタック:

  • ソースコード管理: GitHub
  • Issue Tracker: GitHub
  • CI/CD: CircleCI (無料プラン)
  • デザイン: Prott + Sketch (後に InVision + Sketch に変わる)
  • API: Ruby on Rails 4.2.x
  • Frontend: angular1.x + Angular Material
  • インフラ: さくらインターネットVPS 
  • メールサービス: SendGrid

売れるかどうかわからんということだったので、AWSで組む予定とかもあったようですが、それは止めてお安く済ませることにしました。(当時はAWSには Lightsailとかもなかったので、さくらインターネットVPSを選ぶことになった。) 流石にメール周りについては、面倒なことになるので、SendGrid を利用させてもらいました。

第2期 「副業」 (2015年12月〜)

前の章で、自分は「危機感を感じていた。」と言ったものの、「まーなんとかなるか」という精神を持っていたのは事実です。

今となってはどうかとは思うのですが、あまり1つのサービスや会社に居ることすらも真剣ではありませんでした。当時は前の会社との給料の差もあまりに多く、自分のやりたい個人的な事業もあったため、週3〜4日くらいの社員でということで予め約束していたためです。

そのような緩さの中、自分が前の会社との給料の差を埋めるためにやっていた行為が「副業」でした。思えば、コデアルに関わるときにも「副業」を経由して入社しており、そこのような流れが着目され、コデアルの働き方の区分に「副業」がコードされました。一方で、他の強いサービスがバリバリやっている「転職」「新卒採用」といった区分については廃止され、新たなスタートを切りました。

当時のプロフィール画面

当時のプロフィール画面

「働いてみてからじゃないと、どんな人かどうかわからない。」という点に着目され導入されました。

また、もう一つ必然的にここで導入されたのが「リモートワーク」という代物です。「副業」で働くひとについては、物理的に毎日のように職場に行くわけにはいかず、ある程度の空間的な柔軟性が必要でした。また、当時コデアルを手伝ってくれていた開発メンバーは物理的に離れた場所におり、ごく自然に「遠隔地で働く」という概念が受け入れられていったという側面が、サービスへの導入をすすめました。

この変更は、営業の努力もあり、そこそこのヒットとなり、コデアルというサービスは「柔軟な働き方」をテーマとした方向性へシフトしていくことになったのでした。

第3期 フリーランス×リモート (2016年8月〜)

とはいえ、もとはといえば採用目的ではあったものの「副業」オンリーの求職者も多く、ある程度の方向転換が必要となっていました。また、「副業」については、もどうしても中途半端なコミットになってしまったり、求職者(というより自分に重なっていた部分があるかもしれない)の体力的な問題もあり、フルタイムな要員の必要性が採用企業様から求められていきました。

ここで、新たにフリーランスという区分が追加され、かつ、今までの「副業」で導入れてきた「リモートワーク」を「フリーランス」として働く方にも適用するというデザインがなされました。

現在は、もろもろの情報パンデミックもあり、遠隔で仕事することが受けいれられつつありますが、当時はまだまだ「常駐」の求人案件が多く、新たな切り口としての「リモートワーク」は求職者に受け入れられていきました。この頃、appear.in (現 whereby.com ) や、zoom などのビデオ通話によるコミュニケーションツールの質も、日々良くなっており、ツール面でのアシストも強く効いていたような気がします。

売るだけでなく、自分たちも遠隔で仕事をする頻度を増やしていった時期でした。

メディアに取り上げられることも増えたため、このころにさくらインターネットVPSから、AWS上にインフラ面を移し、より堅牢なシステムづくりに転換していきました。テレビ放映などもあり、急激なアクセス増に対応するため、CloudFront を手前に挟んだりして、なんとか乗り越えた夜が懐かしいです。(結構ギリギリでした。テレビ放映は過去の仕事のこともあり、なかなかトラウマです。)

第4期 「働くをもっと自由に」(2018年5月〜)

デザインを大きく変え、最近利用し始めた人が知る「コデアル」になったのはこの時期からです。

サービスのロゴが代わり、デザインが代わり、「働くをもっと自由に」というサービスキャッチコピーがあり、エンジニア以外の職種区分についても広く受け入れるようになりました。なお、サービス名の変更も検討しましたが、co- (共に、共通の) というのと、deal (取引) というもじりが使えそうだということで、半ば都合よく新生コデアルとして受け入れられることとなりました。なんと都合の良い!

技術的な作りについても、API以外については、かなり様変わりしました。

サービス開発スタック

  • ソースコード管理: GitHub
  • Issue Tracker: JIRA
  • CI/CD: CircleCI (Performance Plan)
  • デザインツール: Sketch + Zeplin (現状は Figma を利用)
  • API: Ruby on Rails 5.x (現在は6.0.xを利用中)
  • Frontend: Nuxt.js 2.x
  • インフラ: API: AWS EC2 を ECS と一緒に利用, Frontend: Lambda + API Gateway, その他AWSのサービスいろいろ..
  • メールサービス: SendGrid
  • チャットサーポート: Intercom

自分の働き方についても、副業をほとんどやめて、ほぼコデアル1本での稼働となっています。リモートワークについても、そもそも物理的な自分の住む場所をオフィスのある東京ではなくしてしまいました。

次のこと

説明したように、コデアルは 「地層」のあるサービスなので、たまに妙な作りが残っており、サービスを利用しているときにも、その点に気づくことがあるかもしれません。

コデアルというサービスは自分たちの働き方の転換に合わせて進化している節はあり、次の転換を迫られているフェーズに入っています。そもそも働くをもっと「自由」にの、「自由」とはどういう意味での「自由」なのか。少なくとも「リモートワーク」というのは、流れで出てきたものであって、構成要素ではあるものの、それだけが重要なポイントではいとは感じています。

これは自分の意見ではありますが、コデアルという製品を作るときに考えているいくつかの要素は以下のようになります。

  • 「リモートワーク」は働く「自由」における1つの構成要素でしかない。「リモートワーク」を選択しなくても良い。
  • ライフワークバランスは間違っている。存在するのはライフだけである。
  • 究極には、「勤労」しないということが容易に選べること。

最後のは日本だと憲法レベルで規定しちゃっていることに反しているため、シャレです。シャレではあるものの、「働くこと」と「自由」については、解釈次第では矛盾してしまう概念であることはよく考えるべきかとは思っているところです。

「ゆっくり」と、ではありますがサービスに、上のようなことについて、スタッフ一同考え続けた答えのようなものを適用していく時期がやってくるとは思いますので、乞うご期待ください。

一緒に「働く」ということと、「自由」について考えたいという方については、採用も行っております。決して、良い条件とは言えないのが寂しいところですが、もしよろしければ一緒に働きませんか? 求人は以下になります。

応募後にこの記事の感想などをいただければ、大変励みになります。

https://www.codeal.work/jobs/9043

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